目次
名詞とは
名詞とは、人や物、ことがらの名前を表す語のことをいいます。
名詞はさまざまな観点から、さまざまに分類できます。〇〇名詞、△△名詞、××名詞と、いろんな名前が付いています。
まずは、これらを大きく2つに分けて考えます。
①数えられる名詞:可算名詞
②数えられない名詞:不可算名詞
名詞である英単語を英和辞典で引くと、その名詞の説明のどこかに、[可]、または[不]という記載があります。
この記載は、[C]、または[U]というアルファベットの大文字の場合もあります。
これらの記載は、漢字であっても、アルファベットであっても、同じことを表しています。
[可]とは可算名詞のことです。
[不]とは不可算名詞のことです。
同様に、
[C]とは Countable Noun
すなわち「可算名詞」 です。
[U]とは Uncountable Noun
すなわち「不可算名詞」 です。
名詞を辞書で引いたら、必ずこの記号を確認してください。可算名詞か不可算名詞かで、単語自体の意味が変わることがあります。これはとても大切なことなのです。
次に、可算名詞と不可算名詞について、その意味と違いについてお話していきます。
可算名詞とは
数えられる名詞のことを可算名詞と言います。
では「数えられる」とは、どういうことでしょうか?
逆に「数えられない」とは、どういうことなのでしょうか?
まずは、可算名詞についてお話ししましょう。
可算名詞には、次の2つのタイプがあります
(1) 形があるタイプ
(2) 形がないタイプ
形がある pen の場合
たとえば、あなたが手に握ったpen は、他の pen と区別できますよね。
あなたの pen には形があり、輪郭があります。
他の pen とは形の上で、はっきりとした、区切りがあるからです。
だから、これをペンの1つ分であると判断できるわけです。
たとえそれが、巨神兵が使うような巨大なペンであったとしても、「あっ、でっかいペンが一本ある」と判断できるでしょう。
このように、区切りがあり、ほかと区別して「1つ」と言えるものを、数えられる名詞、すなわち可算名詞と言います。
形がない day の場合
これに対し、day には目に見える形はありません。
でも、「今日」という day は、「昨日」という day との間に区切りがあり、両者はきちんと区別できます。
カレンダー上でも区別できますし、そもそも午前0時という、はっきりとした区切りが、「昨日」と「今日」を、別の dayとして分けています。
このように day も、pen と同じように、ほかの day と区別して「1つ」、すなわち「1日」と言えるので、可算名詞として用いることができるのです。
まとめ
ということは、名詞が「数えられる」か「数えられない」かを区別する基準は、「形があるかどうか」ではなく、「区切りがあるかどうか」 である、ということになります。
不可算名詞とは
不可算名詞にも2種類あります。
(1) 容器に、入れることのできるタイプ
(2) 容器には、入れることのできないタイプ
以下に例をあげて説明しますね。
容器に入れることのできる water のタイプ
water の場合、「水という物質」自体には形がなく、どこからどこまでが1つなのか区切りがありませんね。
区切りがない以上、ほかの water と区別して、これが1つの water と言うことはできません。
したがって、1つ、2つと数えられない water は不可算名詞として、通常用いられます。
もし、water を数えたいなら、容器に入れて、その容器の数をかぞえます。
たとえば、コップに入れて、次のように数えます。
コップ1杯の水
(a glass of water)
コップ2杯の水
(two glasses of water)
容器に入れることのできない honesty のタイプ
ところで、honesty(正直さ)もまた、不可算名詞です。
この honesty は人の「性質」であり、形がないどころか、水のように手で触れることも、できません。すなわち、抽象的な概念なのです。
「水」が海にある物質とすれば、「正直さ」は人々の心(頭)の中にあるイメージ(抽象概念)と言えます。
形のないイメージですから、もちろん区切りがありません。したがって、数えることもできず、容器に入れることもできません。
まとめ
このように、不可算名詞は2種類あるのです。
不可算名詞の2種類
① 容器に入ったら数えることのできるもの
② そもそも容器にも入らないもの
抽象概念のすべてが不可算名詞というわけではありませんよ。
たとえば、 difficulty(やっかいな事柄), journey(旅),fact(事実)などは可算名詞として用いられます。
可算名詞と不可算名詞の具体例
可算名詞の例
cat(猫), book(本), house(家), family(家族), team(チーム)
不可算名詞の例
water(水), fire(火), honesty(正直さ),information(情報)
可算名詞と不可算名詞の比較
①可算名詞には a/an が付くが、不可算名詞には付かない。
②可算名詞は複数形になるが、不可算名詞はならない。
③可算名詞も、限定された不可算名詞も the を付けることができる。
④可算名詞は単数形の場合、単独で使用できないが、不可算名詞はできる。
(誤)Cat likes milk.(意味不明)
(正)Cats like milk.(猫はミルクが好き)
(正)Water boils at 100℃.(水は100℃で沸騰する)
注意すべき名詞の例
一つの名詞が、絶対に可算名詞・不可算名詞のどちらかに属するわけではありません。
多くの名詞が、意味によって可算名詞になったり、不可算名詞になったりします。以下に、具体例を挙げておきますね。
fire の場合
[不可算名詞]
There is no smoke without fire.
(訳)火のないところに煙は立たない。
この fire は「火」という意味(物質のこと)で、数えられない名詞です。
[可算名詞]
There was a fire in the neighborhood last night.
(訳)昨夜、近所で火事が一軒ありました。
このfireは「火事」という意味(出来事)です。「火事」は1件、2件とカウントできるので、数えられる名詞です。
work の場合
[不可算名詞]
I have a lot of work to do this evening.
(訳)今晩は、やらなければならない仕事がたくさんある。
この work は「仕事」という意味です。数えられない名詞として用います。
「仕事」は、日本人の感覚では1件、2件と数えられそうですが、英語では数えられない名詞として扱われます。注意が必要です。
以上のことは、homework と housework にもあてはまります。
[可算名詞]
I have a complete set of Hemingway’s works.
(訳)私はヘミングウェイ全集を持っています。
この work は「作品」という意味です。作品は1作(1点)、2作(2点)と数えられます。したがって、可算名詞として用いられます。