実戦編

パラグラフ読解・空所補充(1)―大都会という奇妙な現象(東京大学)

ライオン雌1

問題 ― パラグラフ読解・空所補充

 

次の英文を読み、文中から適切な語1語を選んで空所を埋め、その語を書け。

12Great cities are strange phenomena. It is wrong to compare them with beehives, for in a beehive the wish of the individual has been unquestioningly sacrificed to the good of the community.  Had we ascended from the bee perhaps the greatest happiness we could achieve would be an unspectacular death in the service of London. But in London, as in all modern cities, it is the (         ) that counts. Our eight millions split themselves up into ones and twos : little men and little women dreaming their private dreams, pursuing their own ambitions, crying over their own failures, and rejoicing at their own success.

本文研究

 

語句

  • phenomena:phenomenon(現象)の複数形
  • beehive:ミツバチの巣(箱)
  • unquestioningly:無条件に
  • good[名詞]:利益,ため,効果
  • ascend from the bee :ミツバチから進化する
  • unspectacular :目立たない, 華やかでない
  • in the service of ~ : ~に仕えて,~のために
  • split A up into B: A を Bに分ける

 

センテンス

 

① It is wrong to compare them  with beehives, for (in a beehive) the wish (of the individual) has been (unquestioningly) sacrificed to the good of the community.

for は前置詞ではありません。前言の理由を補足して述べるときに使う等位接続詞ですね。

It is wrong…beehives という完全文 (節) のあとに、カンマが打たれて for です。for に後続するものは、まず前置詞句の in a beehive。これは名詞としては働かないから、修飾語句として(    )でくくります。

次に、(the wish)… (has been …)とくるから、for に後続するものは節(SV)です。節と節を結ぶから、for は接続詞であると判断します。

 

② Had we ascended from the bee …… 

≒ If we had ascended from the bee ……

仮定法過去完了のif節から、ifが省略されて倒置が生じています。

御手洗くん
御手洗くん
基本事項ですね。

 

③ Our eight millions split themselves up into ones and twoslittle men and little womendreaming their private dreams, pursuing their own ambitions, crying over their own failures, and rejoicing at their own success).

Our eight millions とは population (人口)のことである、と読んでください。どうやら英国人の書いた文章のようですね。

ones and twos(名詞)little men and little women……success(名詞)のあいだにコロン(:)が置かれ、両者が同格関係であることが示されています。(同格構文)

 

解答と考え方

 

解答

individual

 

パラグラフの構造

12Great cities are strange phenomena. It is wrong to compare them with beehives, for in a beehive the wish of the individual has been unquestioningly sacrificed to the good of the community. Had we ascended from the bee perhaps the greatest happiness we could achieve would be an unspectacular death in the service of London. But in London, as in all modern cities, it is the (individual) that counts. Our eight millions split themselves up into ones and twos : little men and little women dreaming their private dreams, pursuing their own ambitions, crying over their own failures, and rejoicing at their own success.

 

Great cities are strange phenomena. がトピック・センテンスです。Great cities がトピックであり、strange phenomena がコントローリング・アイディアであることを確認しておきましょう。

 

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「大都会が/奇妙な現象である」という抽象的なトピックセンテンス(主題文)を、それに続く第2文以下が具体化していきます。なお、パラグラフ内の語句の対応関係を表にすると以下のようになります。

主要語句対照語句
Great citiesbeehives
webee
in Londonin a beehive
the individualthe community

 

トピックであると同時に、キーワードとなるのが Great cities です。

この語を中心に、照応関係対照関係が、テクスト (text) の縦糸と横糸となり、まるで一枚の見事な織物を作り上げているように見えます。

text の語源は「織られたもの」です。そして織物は英語で textile です。てなことを、学校でさらりと言うと、ちょっとかっこいいかもしれません。

 

対照 (contrast) と 照応 (sequence)の説明

 

上述したように、「大都会が/奇妙な現象である」というトピックセンテンス(主題文)を、まず、第2文が具体化します。「抽象」から「具体」のパターンですね。

 

ところで、ある概念Aを論じする際に、その本質を際立たせて、論旨を明快にするために、概念Aとは対照的な反対概念Bを持ち出して、比較対照しながら論じることがあります。

たとえて言うならば、「赤い色」を目立たせるために、その周囲を、これと反対色(contrastの関係にある「緑色」で塗りつぶしてしまうということです。

 

第2文においては、「大都会」がどのように奇妙な現象であるのかを説明するために、「大都会」と対照的な性質を有する概念が持ち出されます。この概念が「ミツバチの巣」です。

 

第2文の前半において It is wrong to compare them with beehives,とあります。第1文の Great cities を受ける them が、以下作成途中

 

for in a beehive the wish of the individual has been unquestioningly sacrificed to the good of the community.

 

以下続く

からくり人形

いやぁ…お疲れさま、自分(笑)

勅使河原くん
勅使河原くん
おつかれです

全訳例

 

大都会というものは奇妙な現象である。これをミツバチの巣と比較することは誤りである。というのも、ミツバチの巣においては、個体の願望が集団の利益のために、無条件に犠牲にされてきたからである。仮に、人間がミツバチから進化したとするならば、つかみとることのできる最大の幸せは、おそらく、ロンドンのために奉仕して、人知れず死んでいくことであろう。しかし、あらゆる現代都市においてそうであるように、ロンドンにおいて大切なのは、個人なのである。われわれ八百万の人間は、一人ずつ、もしくは二人ずつに分かれる。すなわち、自分のための夢を抱き、自分自身の念願を追い求め、自分自身のしくじりに涙し、自分自身の成功に歓喜するような、取るに足りない男と、取るに足りない女である。