S塾長:主として英語講師
勅使河原(てしがわら)くん:塾生
御手洗(みたらい)くん:塾生
このページでは、『虎のように英文を読む』というこのサイトの予告編をお伝えします。
予告編の内容は、主として次の2つです。
- このサイトの指針
- その運営者である私「塾長」の思い
なお、予告編は「前編」と「後編」の二つの記事に分かれています。
それでは、まず「前編」をごらんください。
剣術の修行と英文解釈の修練
英文解釈・読解の修練は、剣術の修業に似ているのではないだろうか。
私は常々そんなふうに思っています。
いえ、私はなんの剣術も体術も、習得してはいないのですよ。
ただ書物によって知るだけなのです。
私が歩んできたのは、英語学習の道だけなのです。
とはいえ、剣術の修行であろうと、英文を読む修練であろうと、すなわち、いかなる修練であろうと、その道に秀でた、我々の先人、達人たちの言葉には、共通するものがあるような気がするのです。
私は、その先人たちから学んだことを、これから英語を学ぶみなさんに、お伝えしていきたいと思っているのです。
英語学習にも流派があっていい
あるいはまた、こんなふうにも思います。
私の歩く道においてもまた、師を持つならば、英文の読み方ひとつにも、きっと流派があるのではないか。
比喩的に言えば、おのれの技量とその出所を隠すことなく剣を構えた時に、彼または彼女の流派が知れるように、英文に向かう時の構えや足運びで、その流派が知れるのではないでしょうか。
そのようなことを考える私は、師の太刀さばき、歩の進め方を、今も追っています。
親のあとを追う幼子のように、今も追っています。
そうであるならば、私の教え子たちは、私のあとを追うことにより、私の師のあとを追っていることになります。
彼らの剣筋が私のそれに重なる時、私の師の教えが次代に継がれることになるのでしょう。
英文を読むときの頭の働かせ方に慣れる
「左」から「右」へ読んでいく
「過ぎ去った左」も、「到来した右」によって変化する。
そんな言葉を目にしました。英文を読む際の頭の働かせ方が、一つの詩になっている。
至言であると思います。
以下は、ご本人の言葉です。
僕が持ってる武器は3つしかない。規範文法と記述文法と談話文法だけだ。伊藤和夫が「左から右」でしかない?そんなバカな!彼の直読直解は「過ぎ去った左」も、「到来した右」によって変化する。英語のパズル性。換装の自由性・多義性。それは伊藤だけじゃなく、山口俊治も多田正行も自覚してた。
— nash_bridges (@nash_bridges) 2008年10月4日
これから少しずつ理解して、身につけていけばいいのですから。
予想 → 確認 → 修正
以下は『英文解釈教室[改訂版]』(伊藤和夫著)に従って記述したものです。
今は、この雰囲気にふれていただくだけで、大変結構なことだと思います。
To 不定詞…..V の形をした文の読み方
〈例文〉
(a) To master English is not easy.
(b) To master English you must work hard.
↓
(a) 英語をマスターすることは容易ではない
→ to 不定詞
= 名詞的用法
= 文の主語(S)
(b) 英語をマスターするためには、一生けんめい勉強しなければならない
→ to 不定詞
= 副詞的用法
= 修飾語(M)
↓
では,To master English が主語になるかどうかの識別の目印は何か?
↓
(a) (b)は、文頭から読むと、To master English までが全く同じ
↓
To master English が終わったとき、その後続部分が、以下のいずれになるかにより識別する
(a) のタイプ
To master English V
= 名詞的用法
(b) のタイプ
To master English S + V
= 副詞的用法
↓
to 不定詞 にはじまる文の読み方
to 不定詞 が主語か、副詞的用法かについて予想を立てる
(予想)
123↓
to 不定詞 に続く部分が予想通りであればそのまま進む
(確認)
123↓
予想外の形が出てくれば、前にもどって解釈を変える
(修正)
英文を読むときの、頭の働かせ方
➊予想 → ➋確認 → ➌修正
ちょっとカッコつけて言うと、日本語とは違う言語の体系に、自己を慣らしていく、ということなのですね。